みなさん、こんにちは!将来の資産形成に向けたお勉強や投資の実践、毎日お疲れ様です。
「個別の不動産を買うのはハードルが高いから、まずは日本全国の優良不動産に手軽に分散投資できる1343(東証REIT ETF)を買ってみよう!」
そう考えて投資をスタートされた方、とても素晴らしい着眼点だと思います。
でも、ニュースやSNSを見ていると、ふとこんな不安に襲われることはありませんか?

「都心の新築マンションが平均1億円突破!」
「不動産価格が高騰してバブル越え!」
……ニュースではこんなに不動産が値上がりしているのに、なぜ私が持っている1343(J-REIT)の資産価値(NAV)はずっと横ばいなの?もしかしてダメな商品を買ってしまった?
この「街のニュース」と「実際のJ-REITのデータ」のズレ。1343を保有していると、絶対に気になりますよね。私も最初は「なんで連動しないの!?」と首をかしげました。
でも、安心してください。これは1343がダメな商品だからではなく、不動産市場とJ-REITの間に「4つの構造的なギャップ」があるからなのです。
今回は、不動産を勉強中の投資家なら絶対に知っておきたい「NAVが横ばいにとどまる4つの裏事情」と、「これからのインフレ時代に1343とどう向き合うべきか」を、専門用語をできるだけ使わずに分かりやすくひも解いていきますね!
なぜ連動しない?NAV(純資産)が横ばいな「4つの裏事情」

都心の不動産価格が高騰しているのに、J-REITの1口当たりNAV(実質的な純資産価値)が上がらないのには、ハッキリとした理由があります。順番に見ていきましょう。
取引されている「種類」の違い(タワマン vs 大型オフィス)

1つ目の理由は、そもそもニュースで騒がれている不動産と、J-REITが持っている不動産の「種類」が違うからです。
ニュースで「億ションだ!高騰だ!」と言われているのは、主に都心の高級タワーマンションなどの「住宅」です。実需や海外の富裕層がたくさん買っているため、値段が跳ね上がっています。
一方で、J-REIT全体(約23兆円規模)が何を持っているか、内訳を見てみましょう。
| オフィスビル | 物流施設 | 住宅 | その他 |
|---|---|---|---|
| 約37〜40% | 約20% | 約15% | 約25% |
参考:J-REIT.jp「J-REIT保有不動産の用途別比率」
実は、J-REITの主役は約4割を占める「大型オフィスビル」です。
オフィスビルは現在、リモートワークの定着や都心での新築ラッシュにより、賃料をガンガン上げるのが少し難しい時期にあります。
つまり、約15%しかない「住宅」がいくら値上がりしても、主力の「オフィス」がマイルドな動きをしているため、全体平均(NAV)で見ると相殺されて「横ばい」に見えてしまうのです。
価格決定ロジックの違い(感情 vs 計算式)

2つ目は、価格を決める「ルール」の違いです。
個人がタワマンを買うときは、「どうしてもここに住みたい!」「インフレ対策に欲しい!」という実需や感情(プレミアム)でお金を出します。だから価格が青天井になりやすいのです。
しかし、J-REITが持つ数百億円の事業用不動産は、プロの不動産鑑定士によって「収益還元法」というドライな計算式で厳格に値付けされます。
【プロの不動産評価額の計算式】
不動産評価額 = 年間の手残り現金(NOI) ÷ 期待利回り(キャップレート)
※銀行の定期預金で「毎年100万円の利息がもらえる口座(金利5%)」の元本を、「100万円 ÷ 0.05 = 2,000万円」と逆算するのと同じ仕組みです。
プロの世界では、「実際に稼ぎ出す家賃収入」が増えない限り、評価額は上がりません。感情で買われるタワマンとは、根本的に戦っているルールが違うのです。
金利上昇で「魔法」が解けた

「でも、コロナ前は家賃が上がらなくてもNAVは右肩上がりだったよ?」と気づいた方、とても勉強熱心ですね!
実は、2016年のマイナス金利導入以降、NAVが上がっていたのは「期待利回り(キャップレート)が下がり続けていたから」という魔法のおかげでした。
先ほどの割り算の式で、分母(利回り)が小さくなれば、家賃収入が変わらなくても計算上の不動産価値は跳ね上がります。
しかし、2022年以降の日銀の利上げ方針(金融政策の正常化)により、この「分母が小さくなる魔法」は完全にストップしました。
今は魔法が解け、「純粋に家賃(NOI)を上げられた分しか評価額が上がらない」という実力勝負のフェーズに入っているため、NAVの伸びが足踏みしているのです。
利益を「分配金」として外へ吐き出す仕組み

最後の理由は、J-REIT特有の嬉しい(?)ルールです。
普通の株式会社は、儲かった利益を会社の中に「内部留保」として貯め込むため、純資産(BPS)が右肩上がりに増えます。
しかし、J-REITには「利益の90%超を投資家に分配すれば、法人税が実質おまけされる」という強力な税制ルールがあります。
そのため、J-REITは物件が高く売れて利益が出ても、それをNAV(内部)に貯め込まず、すべて私たち投資家のポケットへ「高い分配金」として還元してくれています。
資産価値の上昇分が、毎期「現金」として外へ出ていっているため、見た目の純資産(NAV)が横ばいに見えているだけなのです。
1343の「1口当たり純資産」を自分の電卓で計算してみよう!

「なぜ横ばいなのか」という理由が分かると、少しホッとしますよね。J-REITがダメになったわけではないことがお分かりいただけたかと思います。
では、私たちが保有している1343の「実質的な1口当たり純資産(解散価値)」は、今いくらなのでしょうか?実は、電卓で簡単に計算できます。
【1口当たりNAV(実質純資産)の計算式】
1343の株価 ÷ J-REIT全体のNAV倍率 = 1口当たりNAV
たとえば、直近のデータを使って計算してみましょう。
- 1343の株価:1,944円(Yahoo!ファイナンス等で確認)
- J-REIT全体のNAV倍率:0.84倍(J-REIT.jpで確認)
1,944円 ÷ 0.84 = 約 2,314円
この結果から、私たちが1,944円で買っている1343の裏側には、実は「2,314円分」の時価不動産が存在していることが分かります。
つまり、市場の不安心理によって、本来の価値よりも約16%も安く(バーゲン価格で)放置されている状態と言えるのです。これを自分で計算できるようになると、日々の株価の上下にいちいち怯えることがなくなりますよ!
インフレ定着でこれからのNAVはどうなる?

「じゃあ、この横ばいのNAVはこれからもずっと上がらないの?」と思うかもしれませんが、悲観する必要はありません。
現在日本で進んでいる「インフレ(物価上昇)」が定着すれば、今後は物価上昇とNAVが連動して成長していく新しい時代に入ると考えられています。
- 建物を建てるコストが高騰する
今から新しくビルを建てる費用が爆上がりしているため、J-REITが既に持っている好立地の既存ビルの価値(再調達価格)が底上げされます。 - 家賃(NOI)への転嫁が進む
インフレに合わせて、ホテル、住宅、物流施設、そして最後にオフィスビル…と、順番に家賃の値上げが進んでいきます。家賃(NOI)が増えれば、評価額は直接アップします。
低金利の魔法に頼らなくても、不動産本来のインフレヘッジ機能がしっかりと働き始めるため、時間をかけてNAVはじわじわと育っていくシナリオが期待できます。
まとめ:1343投資家が取るべき3つのアクション

いかがでしたでしょうか。
「都心のマンションが高騰しているのに、なぜ私の1343は上がらないの?」という疑問の裏には、J-REITならではのロジカルで堅実な仕組みが隠れていました。
最後に、1343を保有しながら資産形成を目指す私たちが取るべき「3つのスタンス」をまとめます。
- ① 株価のノイズに惑わされず「実質価値」を見る
株価が下がっても、それは「安く買い増せるバーゲンセール」かもしれません。定期的に電卓を叩いて、割安度を確認しましょう。 - ② 高い分配金(インカム)をしっかり味方につける
利益はNAVに溜まらず、現金としてあなたに還元されます。受け取った分配金を再投資して、複利の力を最大限に活かしましょう。 - ③ 賃料アップによる中長期の成長を「気長に」待つ
不動産の家賃改定は数年がかりです。今日明日の結果を求めず、インフレの波がゆっくりとJ-REITに浸透していくのを見守りましょう。
仕組みを知れば知るほど、投資は不安から「納得」へと変わり、もっと面白くなっていきます。
これからも表面的なニュースの熱狂に振り回されず、ロジカルに仕組みを理解しながら、一緒に堅実な資産形成を楽しんでいきましょうね!


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